【感想】出口陽さんのミニアルバム「My Serendipity」聴いてみた

出口陽さんのソロアルバム「My Serendipity」が手元に届いたので、聴いてみました。

基本情報

アルバム名:My serendipity
アーティスト:出口陽
発売元:株式会社ロック・フィールド
販売元:コロムビア・マーケティング株式会社
発売日:2025年8月5日

セットリスト

  1. Be Hero
  2. Sing For
  3. seeker
  4. ハジマリノオト(2025 Remaster)
  5. 未来へ

あの頃の熱さを思い出す「Be Hero」

ミニアルバムのリード曲「Be Hero」。イントロ無しで歌が始まる熱い一曲。前の記事でも書きましたがライブではコール&レスポンスをすることで、ファンと陽さんが一体になります。

10年ほど前、AKB48グループのオタクだった僕は、サイリウムを振ることもMIXを打つことも全力でできたんです。なんなら東京ドーム公演では、隣の席が空いていたので踊っていた。

そんな僕でも、さすがに10年のブランクがあると、コール&レスポンスをするのにちょっと勇気がいるんですよね。でもこの曲のおかげで、拳を高く上げたり、小さな声を出したりすることができるようになりました。

ただし、陽さんにとって一番嬉しいのは、もっと大きな声を出すこと!

できるのか自分。思い出せ自分。あの頃の熱さを。

僕好みなんだ「Sing for」

まずは曲名の意味から確認しましょう。「Sing for」は、日本語にすると「〜のために歌う」となります。では、誰のため? 何のため? 歌詞を見てみましょう。

たとえ世界がおわる日が来たって
君に想いを繋げるよ
そう
I wanna sinsing for you
(出口陽「SIng for」作詞・作曲:Tsubasa)

なるほど、”君”のために歌っていることがわかります。

ここでちょっと細かいことが気になりました。ずばり英文法。というのも、”wanna = want to”なので、後には動詞の原形を置くのが正しいですよね。

そこでインターネットで調べてみると、表現の世界では動名詞を続けることがあるんだとか。それは、歌の響きや語感、リズムを良くするため、と言って伝わるでしょうか…。たしかに”sing for you”にすると、文法的には合っているけれども、この曲の場合は歌いにくくなってしまう!

他の理由としては、「君のために歌う」という想いや行為を強調するため、というのも見つけました。

そんな文法講義はさて置き。僕は今回のミニアルバムの中で「SIng for」が一番好きかもしれません。メロディと歌詞のちょっと切ない感じが…、僕好み。陽さんの歌声も合いすぎてますね。ライブの最後に聴いてみたい!

受け入れてもう一度「seeker」

「seeker」は、辞書的にいえば「探求者」ですが、この曲では「迷子」と訳すのがいいかもしれません。歌い出しを聴いてみましょう。

まだ見つけられないの 迷子は
わたしの方だったの?
夢と未来探していく
(出口陽「seeker」作詞:鈴木麻央 作曲:暁)

たとえるなら渋谷のスクランブル交差点。”自分”を持っているようで持てていない人たちが行き交う様子を見おろしている。あるいは俯瞰。でも、そうやって客観的に見ているはずの自分が、実は迷子になっていた、というわけです。

どんな逆境も越えさせて
まっすぐ見据えた先の未来に
どんな私がいる?
I’m a dream seeker
今がちょっと暗闇でも
夢 追い求めて 探して(い)く
(出口陽「seeker」作詞:鈴木麻央 作曲:暁)

「止まない雨はない」とよく言いますが、ヒトがヒトである理由は、どんなときでも前を向けるからだと思うんです。今は苦しいときでも、振り返れば無駄じゃなかったと分かる…。そんな経験をしたことがある人も多いはず。

ちょっと哲学的な話になってしまいますが、「人生の意味は?」と疑問に思うことってありますよね。そうですね…、僕だったら「答えを見つけた瞬間に崩れ、また新たな意味を探しにいく。それが人生。」と答えるかもしれません。

あるいは、壁を乗り越えたと思ったら、また新たな壁が立ちはだかると言ってもいいかもしれません。

だから迷うことは、生きている証拠。それを肯定して、次の一歩を踏み出せる曲。それが「seeker」です。

いつだってこの瞬間が「ハジマリノオト」

4曲目に収録されている「ハジマリノオト」は、出口陽さんのソロデビュー曲で、2025年リマスター版となります。

僕がこの曲を知ったのは一年前の定季公演だったでしょうか。「この曲を10年前に歌ってたのか…」と鳥肌が立ったのを今でも覚えています。そして僕が一番好きな部分は、サビの手前。

カーテンも開けずに
口ずさんでる Lulu…
あの日のメロディ
(出口陽「ハジマリノオト」作詞:出口陽、近藤薫 作曲:近藤薫)

陽さんの歌声は透明感がすごいんですが、この部分は特に透明感に溢れています。ライブで何度聴いても痺れるんですよね…。本当に好きな曲です。

10年前に歌った「ハジマリノオト」が、11年目の”ハジマリノオト”になっていると思うと、ファン歴の浅い僕ですら重みを感じることができます。

未来へ

この曲を初めて聴いたとき、昔よく聴いていた歌手・玉置成実さんを思い出しました。

具体的にどこが、というのを言語化するのは難しいのですが…。曲調、ビート、声の感じ、テンポ。僕の知っている限りの音楽用語を並べてみても、なかなか輪郭が見えてきません。

20年前、僕がどうやって玉置成実さんを知ったのか覚えていません。ただ、その歌声を聴いた時の衝撃はすごかった。「こんな歌声を出せる人がいるのか」と。そして、それを20年越しに思い出させる陽さんもすごい。単純な表現しかできず申し訳ないのですが、歌がうますぎる!

僕の調べた限りでは、インターネットでも歌詞は載っていませんでした。耳を澄ませば歌詞は分かるのですが、いつか、どこかで歌詞が見られたら嬉しいなと思います。

ミニアルバム「My Serendipity」を聴いて、これからもっと出口陽さんの生歌を聴きたくなりました。

出口陽さんが歌い続ける限り、僕は聴き続けることを誓って。

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