【観劇記】AKI DEGUCHI LIVE TOUR 2025 -MySerendipity- 【名古屋公演】

栄駅から歩くこと7分。黒い階段を下りてたどり着くステージは、原色のスポットライトに照らされていました。
LIVE HOUSE CIRCUS。出口陽さんのソロデビュー10周年記念ミニアルバム「My Selendipity」のリリースを記念したライブツアー。その名古屋公演が幕を開けたのです。
Be Heroはスタートの合図なんだ
一曲目は、ミニアルバムのリード曲になっている「Be Hero」。拳を高く突き上げたり、コールを入れたりして、ファンと陽さんが一体となる曲です。だからライブのスタートを告げる曲にはぴったり。
これまでの推し活と言えば、どのアーティストのどの曲も、すでにコールが出来上がっていたように思います。僕の場合はAKB48グループを推し始めた頃には、MIXとかコールがすでに完成されていたんですよね。
でも陽さんの「Be Hero」は違います。初めて披露されたとき、誰もコールは分かりませんでした。だから陽さんが「ここでこうしてほしい。」というのを、説明してくださったんです。それからライブを重ねていくうちに、僕たちファンも掴んできた感じ。こうして一からパフォーマンスが出来上がっていく過程を目の当たりにして、ちょっと感動しています。
先ほど「Be Hero」は「スタートを告げる曲にぴったり」と言いましたが、実はアンコールにも向いているなと。実際、名古屋公演ではアンコールでも「Be Hero」を披露されていましたが、見方を変えればアンコールも「スタートの合図」ですよね。
まるで一枚のCDがリピート再生されるように…。陽さんの歌手としての歩み、僕たちファンの歩みも、まだゴールじゃないですから。いつだってそれがスタートの合図になる。そんな意味で「Be Hero」はアンコールにも向いているのです。
まるで水彩画のような歌声
陽さんもMCでおっしゃっていましたが、陽さんの楽曲はジャンルをまたいでいるんですよね。アップテンポの曲、バラード、カバー曲(定季公演など)などなど。だから、いい意味で固定観念をもたずに聴くことができます。
そして聴けば聴くほど、まるで水彩画のように歌声が心に沁みていく。「いやオレは油絵だと思う」という人もいるかもしれませんが! 感じ方は人それぞれですからね。でも僕は、陽さんの透き通った雰囲気と歌声から、「水彩画」という表現をとりたいと思います。
ちなみに僕はバラード曲が好き。
というのも、僕が陽さんの歌声を初めて聴いたとき(定季公演「アキノヨナガ」)、僕はちょっとだけ病んでしまっていた。信じすぎた自分も悪いですが、人に騙されてしまったタイミングだったんです。なので、陽さんのしっとりとした曲を聴いたときは心が震えました。割と真面目に、「人生は良いことも絶対にある」と思えたのです。
だから僕は、今も、これからも、陽さんのバラード曲が好きでいるんだと…。
Aki is my serendipity

10年。どんなアーティストでも、その間ずっと歌い続けるのは簡単なことじゃないはず。
たとえば”アイドル”だった頃はセンターでも、ソロになったら注目度がガラッと変わる世界。すっかり歌わなくなった人もいるし、歌いたくても歌えない人もいるかもしれない。
そんな厳しい世界の中で、出口陽さんは10年間歌い続けています。
セレンディピティ(Serendipity)を「幸運な偶然の出来事」と訳せば、陽さんのソロ活動はいくつもの偶然が重なっているかもしれません。でも、陽さんのパフォーマンスやMCを観たり聴いたりしていると、「偶然」の一言では片付けたくないような意志の強さを感じます。
偶然を必然として捉えること。それは単に楽観的なのではなく、どんな日も、どんな場所でも、誰に対しても感謝の気持ちを抱けている証拠。僕が陽さんを応援していて、一番感じるところです。
もし大げさに聞こえている人がいれば、ぜひ出口陽さんのライブを観に来てください。人としての魅力、応援したくなる個性を感じることができますよ。
こんなことを書いている僕だって、一年前までは陽さんのファンになるなんて想像すらしていませんでした。一回ライブに行ったら、それで終わっていた可能性もあったはず。にも関わらず、陽さん推しになれたのは、なんというか…、また会いたくなるし、また歌声を聴きたくなる存在だからです。
僕たちが応援することで陽さんが勇気づけられ、陽さんが歌うことで僕たちが元気づけられる。
Aki is my serendipity
出会えたことに感謝して、これからも推し続けていきます。
[…] ミニアルバムのリード曲「Be Hero」。イントロ無しで歌が始まる熱い一曲。前の記事でも書きましたが、ライブではコール&レスポンスをすることで、ファンと陽さんが一体になります。 […]